2007年12月29日土曜日

とんでもない規制改革会議第2次答申「労働分野」

12月25日、政府の規制改革会議が第2次答申を出しました。マスメディアではほとんど取り上げられていないようですが、労働分野(本文P163-P171)を見るととんでもない「問題意識」が述べられています。5月に出され、徹底的に批判された「規制改革会議・労働タスクフォース」の意見書の内容がほとんどそのまま掲載されています。

「一部に残存する神話のように、労働者の権利を強めるほど、労働者の保護が図られるという安易な考え方は正しくない・・・・」として、「法と経済学」の視点を掲げ、最低賃金の引き上げや労働時間の上限規制、判例の立法化を否定し、解雇権濫用法理の緩和、派遣法の緩和(期間、業種制限の撤廃)、労働政策などの審議会の三者構成の見直しを掲げています。

彼らの主張は新古典派の経済学の虚構のモデルに基づく理論をそのまま労働分野に適用したものです。現実の労働関係、労働者の実態を無視した暴論です。

とんでもない労働タスクフォースの意見書が堂々と答申本文の「問題意識」として掲載されたことを到底許してはならないと思います。

連合が12月26日付けで抗議の事務局長談話を発表しています。

また、厚生労働省が12月28日付けで、「今回の『第2次答申』のうち、『問題意識』に掲げられている事項については、その基本的な考え方や今後の改革の方向性・手法・実効性において、当省の基本的な考え方と見解を異にする部分が少なくない。」として、考え方を発表しています。

このような問題意識を持って政策が決定されないように、政府や規制改革会議に対して抗議の声を上げていく必要があると思います。「労働ビッグバン研究プロジェクト」でも、何が問題かを徹底的に議論し、批判をしていきたいと思います。